「残高16ドルなファイル係」
こうちやまのりふみのクウェート滞在記
プロローグ〉
それは一本の電話からだった。
「おまえ、クウェート行かんか?」
「あー、いいですよ、行きましょう!」
あまりの即答に相手も驚いたようで、何度も「ええんか?」と念押しをされた。別に何も考えていなかった訳ではない。もちろん不安もある、がそれ以上に好奇心の方が上回っていた。
「それでいつから?」
「二週間後。」
これにはこちらが驚いた。仕事の引継などを考えてもあまりに時間がない。すぐに準備に入った。(結局、ビザの手配などで三週間後になった)
その時も実は出張中だったが荷造りなどは妻がてきぱきとこなしてくれたので助かった。(帰国時に私ではスーツケースに入れられず下着類は捨てて帰らなければならなかった)
当の本人はというと不安が増幅していた。それは、
・ 現地までは一人で行かなければならない。
・ 途中、タイ(バンコク)で乗り換え。
・ クウェート空港の迎えは現地スタッフ(インド人)が来る。
など。全てのことにつきまとうのは「英語が話せない」ということ。
そんな目一杯の状況で関西国際空港を出発。
クウェートと聞いて砂漠、石油、湾岸戦争以外になにか思いつくものありますか?正直、帰国した今でもそれ以外のもので思い浮かぶものってないんですよね。そんな所です。だけではあまりに寂しいので少し国の説明を。
位置:アラビヤ湾の一番奥にあります。日本と時差は6時間。面積は四国くらい。
気候:砂漠だから湿度が低くてからっとしてるのでしょう、とよく言われるがとんでもない!アラビヤ湾からの風のおかげで湿度は高く100%近くになることもあります。
夏は気温が40℃は軽く越えます。冬ももちろんあって0℃近くになります。
言語:アラビヤ語と英語
宗教:イスラム教。だからお酒と豚肉は禁止。お酒はいろんな手段で飲めるがそれは後日。
貨幣:クウェートディナール KD(約400円)。1/1000KD=1フィルス
缶ジュース類が一本100フィルス。