「残高16ドルなファイル係」

CAPTAINの”お料理こつこつ”
番外編
 CAPTAINの”お料理こつこつ”
番外編
「ボージョレ・ヌーヴォーとは」
その歴史について
  フランス食の都リヨンの地酒ボージョレは19世紀から収穫後非常に早くワイン
を売る習慣があった
  勿論今日我々が知る販売網とは比べ物にならないため地元での消費中心の
  習慣はその後変遷はあったものの、第二次世界大戦まで続いた。
  その後1951年11月9日付けの政令で、新酒の販売が公式に認られた。
  こうしてボージョレ・ヌーヴォーはリヨンと同様にパリに正式に参入し、
  ボージョレーを広めようとした若いジャーナリスト達の熱意によって、
  直ちにパリのビストロのお気に入りワインとなった。
   “BEAUJOLAIS NOUVEAU EST ARRIVE(ボージョレ・ヌーヴォー到着)!”
  のコピーが自然発生的に生まれ、このスローガンの元に、ボージョレ・ヌーヴォーは
  直ちにヨーロッパのフランス語圏のスイス、ベルギーに広まり、その後イギリス等の
  アングロサクソン圏にも浸透した。規則の改訂が相次ぎ(省令と政令)、
  ボージョレ・ヌーヴォーのチェックはより厳しくなった。
  1960年には承認されたボージョレ・ヌーヴォーの生産量は4万ヘクトリットルで、
  当時は販売量は、その4分の3を越えてはならなかった。1974年からは特別委員会が
  設けられ、ボージョレ・ヌーヴォーの試飲をして、基準を満たしているか確かめてから
  承認するようになった。ボージョレ・ヌーヴォーの躍進で、フランスからどれほど
  遠い国でも解禁日にはボージョレ・ヌーヴォーが届くように輸送網の整備も進んだ。
  1985年には伝統的に11月15日であった解禁日を11月の第3木曜日に変更した。
  この時期に日本でもボージョレ・ヌーヴォーの解禁が紹介され、
  バブル経済の波に乗り一躍その名を知らしめることとっなったが、本来の若々しい
  生命感あふれる新酒の収穫を楽しむお祭りが、日本の商社やメディアによって本来の
  庶民の気軽なイベントから、高級志向のディナーパーティ風に様変わりしたのでした、
  (この時期著者はフランス人オーナーの下フランス人のスタッフや日本人の先輩や
   同僚とのお祭り騒ぎで”これがパリ式のヌーヴォー解禁だと”教えられ客席と同様に
   厨房でもヌーヴォー片手に酔っ払いが鍋や包丁を振るっておりました)

早飲の特製と特徴
  “ボージョレ”と“ボージョレ・ヌーヴォー”は早く飲めるという特権を持っている。
  赤ワインの新酒が可能なのは次の要素によるものである。

  早生種の品種(ガメイ)なので、早く熟し、非常にフルーティーな小さな実をつける。

  房を丸ごと使う伝統的な醸造法で、ぶどうの風味を保つ。

  世界でもまれな輸送網の整備により、解禁から数時間で5000万本のボトルを
  192カ国へ発送出来る。

  魔法のワイン、祭りのワインで、いづれの文化にも適応すると同時に非常に
  個性のしっかりしたフランスワインなので、どのような消費形態でも、
  すべての料理に合うことから フランスの生活芸術を主張する親善大使となっている

さて、2002年のボージョレ・ヌーヴォーは?
  まず、前評判ですが、2002年は8月下旬まで天候にも恵まれかなり
  いい出来との情報でした しかし収穫前の9月に激しい雨に見舞われ葡萄の房の
  ダメージが心配されましたが(雨粒で濡れた葡萄はその後の強い日差しで
  腐敗してしまうため)その後の曇りがちの天候とゆるやかな風により
  収穫の始まる時期の葡萄はころあい良く乾き、非常に良い状態での
  収穫をむかえることが出来ました 醸造後の出荷時期には、2002年の
  ボージョレ・ヌーヴォーの評判はかなり良いと聞いておりました

  そして解禁当日、時報が零時になるのを待ち27L入り(レギュラーサイズ36本分)の
  樽をあけ各自のグラスに注ぎ、今年の解禁を祝って”乾杯“皆がワインを口にし、
  しばしの沈黙・・・
  ”美味い”皆の顔が喜びに微笑んでいました2002年の出来栄えはかなり良かったです!

   例年ボージョレ・ヌーヴォーの特徴である明るい色調のガーネット色が
   今年は濃い目の色合い、ボージョレ特有のスミレの香りが2002のヴィンテージでは
   イチゴやブラックベリーを思わせる、しっかりとしたアロマをかもし出し、
   酸味、旨み、アルコールのヴォリュームを感じさせる味わいと余韻の長い喉越し、
   ここ10年で一、二番の出来ではないでしょうか。

作麼生【そもさん】&説破【せっぱ】
  徳山にゃんこ先生、からこんな質問がありました  
そもさん>『ボージョレ・ヌーボー』って、白、無いの?

せっぱ・ボージョレ・ヌーボーに関して言えば白は在りません
  ただボージョレ・ブラン(ブランとはフランス語で白の意、ちなみにヌーボーは新しいです)
  ブルゴーニュ地方、ボージョレ地区のワインの生産でわずかではありますが、
  白が在ります、ただ、ヌーボーのように新酒で出回ることはありません、
  ヌーボーは9月の上旬から下旬にかけて収穫された葡萄が11月のこの時期に
  ワインとして飲めるために赤ワインを短期間で発酵・醸造が可能な方法で作られるため
  『ボージョレ・ヌーボー』は赤のみのリリースなのです。


なぜたくさんの種類のボージョレ・ヌーヴォーが?
 MOMOさんの書き込みより
  >いろんな種類があってビックリ。
そもさん>なぜたくさんの種類のボージョレ・ヌーヴォーが?
せっぱ・前にも触れましたがボージョレ・ヌーヴォーはフランス・ブルゴーニュ地方
  ボージョレ地区の新酒のことですが、ボージョレ地区の中でワイン法に従い
  所定の機関の審査をパスした物であれば、ボージョレ・ヌーヴォーとして
  出荷することが出来ます、小は小さな葡萄生産農家から、
  大は世界中に流通ルートを持つ大手のネゴシアン(ワイン商)までそれぞれが
  自社ラベルで出荷しているためその種類といったら、大変な数です。
  今皆さんがボージョレーヌーヴォーがをコンビニ・酒屋・スーパーなど色々な場所で
  いろんな種類を目にするのはこのためです。
   上でふれてた通り、いろんな種類のヌーヴォーの中には、
  大変美味しい物からイマイチの物まで当たり外れがあります。
  その中から美味しいヌーヴォーを探すには毎年飲むことで生産者の良し悪しを
  覚えるしかありません、だから毎年楽しむことが
  ヌーヴォーの達人への近道でしょう、しかしそうもいかないのが実情なのでやはりここは、
  そういった良く知っている人に聞くのが、お手軽で一番お勧めだと思います。

私的おすすめのヌーヴォーその1
 ジョセフ・ドルーアン・ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー (雪印食品輸入)
  伝統をひたすら継承するブルゴーニュ・ネゴシアン((ワイン商で小さなワイン生産者から
  ワインを買い上げ自社ラベルでワイン販売・流通を行う商社)の巨人。
  ドゥルーアンのヌーヴォーに対する思い入れはブルゴーニュの自らの畑から産出する
  ブランドと同じくらい周到で細心なもの。一流レストランでも御用達でその品質の高さ、
  安定感は特筆物です!


私的おすすめヌーヴォーその2
  ルイ・ジャド ボージョレ・ヴィラージュ プリムール(日本リカー輸入)
  ルイ・ジャド社では例えヌーボーであったとしても、ワインである以上、
  きちんとしたボディ、骨格、味わいの深みを持つものであるべきだと考えています。
  そのため、ルイ・ジャド ボージョレ・ヴィラージュ プリムールは果実味のみが楽しめる
  一般的なヌーボーとは一線を画しています。葡萄を育てる土壌の尊重をポリシーとして
  掲げるルイ・ジャド社では、このヌーボーを大量に生産することはせずに、
  少量の生産で高品質、毎年期待どうりの美味しいヌーボーを楽しませてくれます